第52回滋賀県写真展覧会(平成25年度)

滋賀県写真展覧会審査結果

出品作品内訳

出品作品総数 応募者数(初出品) 芸術文化祭賞・特選・入選数
625点 307人(53人) 140点

審査員

水野克比古氏 [写真家・(社)日本写真家協会会員(JPS)]
北奥耕一郎氏 [写真家・(社)日本写真家協会会員(JPS)]

入賞作品

総評

今年もレベルが高く、バラエティに富んだ良い作品が集まりました。地元の作品は見慣れているため採点が辛くなりがちですが琵琶湖の風景などに秀作が目立ちました。人間味やユーモアあふれる作品が上位を占めたのが今年の特徴であり世相の反映かもしれません。なお、最終審査に残るためには作品は少しでも大きい方が有利です。さらに最高賞の芸術文化祭賞には会場でだれが見ても納得できるだけの「風格」が必要です。長い歴史を持ち応募数が多い滋賀県展…来年度も皆さんの力作に期待します。


芸術文化祭賞

52回大賞兆し

「兆し」 水越 貞範 (守山市)

選評

画題が良く完成度の高い作品です。シャープで構図も完璧で風景作品の中では秀逸でした。若干水平線が右下がりなのが逆に魅力的で、最高賞に値する風格のある作品に仕上がっています。

特選・滋賀県議会議長賞

52回特選1ボランティア

「ボランティア」 岸 洋子 (東近江市)

選評

後ろ姿の5人の動きがコミカルで、必要な場所に必要な人物が必要な動きをしている構成が見事です。ボランティアの心意気をユーモアを交えて上手く表現しています。

特選・滋賀県教育委員会教育長賞

第52回特選 「夏の日の思い出」 山岸 美佐恵

「夏の日の思い出」 山岸 美佐恵 (大津市)

選評

南国、沖縄の心温まる雰囲気が漂っています。女性ならではの軽快なショットで家族の幸せなひとときを捉えましたね。ただピントが手前の木に合っているのが残念です。

特選・滋賀県文化振興事業団会長賞

第52特選「うしろ姿」小川 正一

「うしろ姿」 小川 正一 (近江八幡市)

選評

力強い羽ばたきは最高賞に迫る素晴らしい作品です。しかし画題で減点となりました。「飛翔」とか「未来へ!」などこの作品にふさわしい題があったはずです。それほど画題は大切なのです。

特選・滋賀県写真連盟会長賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「急ぎ足」 北東 幸男

「急ぎ足」 北東 幸男 (東近江市)

選評

夕立にでも遭遇したのでしょうか、車の窓ガラスと思われる雨粒にピントを合わせたユニークな作品です。あえて舞妓さんをぼかした点を評価したいと思います。

特選・NHK大津放送局長賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「未知の世界」 杉立 好正

「未知の世界」 杉立 好正 (草津市)

選評

規定の枠一杯の大きさで迫力があります。手前に主人公の花火を大きく取り入れ、後方に小さい花火を散らす構成は素晴らしい。しかし少し技巧が目立ちすぎ臨場感に欠けたのが残念です。

特選・KBS京都賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「朝の散歩道」 吉田 信介

「朝の散歩道」 吉田 信介 (大津市)

選評

琵琶湖の叙情風景を見事に描写しています。見ているだけで心が癒され、この景観をいつまでも大切にしたいと思わせる作品です。プリントサイズが小さいのが残念。

特選・産経新聞社賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「波と影」 西山 順三

「波と影」 西山 順三 (大津市)

選評

波を連想させる形と錦帯橋特有の影だけでこれだけの作品に仕上げた作者の力量はなかなかのもの。プリントがもう少し大きければ、更に上位にランクされたことでしょう。

特選・朝日新聞社賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「夢の中へ」 竹中 勝子

「夢の中へ」 竹中 勝子 (大津市)

選評

比叡山のどのあたりからなのか、これだけの朝霧に出会えた幸運を逃がさなかったのは作者の不断の努力の賜物でしょう。構図も申し分ありません。

特選・時事通信社賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「秋・模様」 川端 伸一

「秋・模様」 川端 伸一 (大津市)

選評

湖北の美を一幅の絵に仕上げてくれました。背景の山並みと朝霞を手前の曼珠沙華と黒い木の幹で引き締めています。明るい風景に仕上げたのが良かったと思います。

特選・エフエム滋賀賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「恋物語♪」 藤﨑 優子

「恋物語♪」 藤﨑 優子 (守山市)

選評

伏見稲荷で生まれたラブロマンス…メルヘンチックな作品ですね。画題も楽しく、このように「創り上げる作品」がこれから増えてくることでしょう。光の捉え方がレンブラント風で立体感があるのもいい。

特選・読売新聞社賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「月と交信」 西村 久

「月と交信」 西村 久 (栗東市)

選評

楽しい画題ですね。少年が月と話をしているような前景と広大な背景との組み合わせが素晴らしい。暮色の空に月、そして数え切れない灯り…。プリントがもっと大きければ…と惜しまれます。

特選・毎日新聞社賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「虹を背に」中谷 愛子

「虹を背に」 中谷 愛子 (近江八幡市)

選評

見事な虹を背にして浜辺で漁をする白いシャツと麦わら帽子の人物が点景として生きています。水平線上に船が浮かんでいるのも効果を上げています。

特選・中日新聞社賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「ふたりの世界」小椋 俊道

「ふたりの世界」 小椋 俊道 (愛知郡愛荘町)

選評

秋から冬への長い影が素晴らしいシルエットとなって、まさに「ふたりの世界」ですね。県展の季節に合わせてこの色調で見せてくれたことが何よりです。

特選・京都新聞社賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「春望」大島 喜八郎

「春望」 大島 喜八郎 (彦根市)

選評

一見おとなしい作品ですが。品良くまとめています。長浜かと思われる桜と竹林、そして手前に枯れ蓮をリズミカルに取り入れたのが良かったと思います。

特選・共同通信社賞

第52滋賀県写真展覧会特選「エンジョイ」夏川 宗一

「エンジョイ」 夏川 宗一 (彦根市)

選評

画面の大半を白と黒で引き締めて中央に赤のネールアート。ハイセンスな作品だけにこの画題はいただけません。そして左方の真中の肌に傷がありますがこの箇所も避けるべきだったでしょう。

特選・BBCびわ湖放送賞

第52回滋賀県写真展覧会特選「秋への余情」布施 繁子

「秋への余情」 布施 繁子 (東近江市)

カラー組写真

選評

植物を3枚組みで上手くまとめています。あまり絞り込まずに一点だけにピント合わせをしている点と全体を黒マットで構成している点に好感が持てます。