第53回滋賀県写真展覧会(平成26年度)

滋賀県写真展覧会審査結果

出品作品内訳

出品作品総数 応募者数 芸術文化祭賞・特選・入選数
672点 341人 150点

審査員

かじの こういち氏 [写真家・(公社)日本写真家協会会員(JPS)]
亀村 俊二氏 [写真家・(公社)日本写真家協会会員(JPS)]

入賞作品

総評

レベルの高い、バラエティに富んだすばらしい作品が多く集まりました。風景写真は、ついつい珍しいものに目がいってしまいますが、写す人の気持ちが反映されている作品を主に選定しました。
人の目はものを見たときに、自分のみたい情報だけを選択しますが、写真の場合はありのままを写し出します。余分なものを排除することが大切です。上位の作品はそういった観点から選ばれた作品です。

 

芸術文化祭賞

「帰路へ」  折笠 さつき

「帰路へ」  折笠 さつき (守山市)

選評

楽しい修学旅行も終わりに近くこれから新幹線に乗って帰途につくのでしょう。
生徒達は疲れきってうつむき、先生は正しい姿勢で注意事項を話しています。
現代の世相をうまく捉えた写真です。フレーミングもしっかりしていて、モノクロームの表現も効果的ですばらしい作品です。

特選・滋賀県議会議長賞

53回特選1湿原の冬

「湿原の冬」 和田 昭子 (大津市)

選評

春を待つ荒涼とした湿原。撮影した人の気持ちが反映されていて、モノクロームだけに見る人がいろいろな色を感じとることができる作品となっています。

特選・滋賀県教育委員会教育長賞

第53回特選 「至福の瞬」

「至福の瞬」 福井 齋 (大津市)

選評

三世代いや四世代の家族でしょうか。人物の表情も豊かで何かほんわかした会話が聞こえてきます。背景の木立から漏れる光の線が特に効果的です。柔らかなトーンで落ち着いた良い作品となっています。

特選・滋賀県文化振興事業団会長賞

第53特選「宿場町情景」北野 利文

「宿場町情景」 北野 利文 (大津市)

選評

雪の降る中を赤い傘と黒い傘をさした人物。人物があまり主張しすぎず宿場町の雪の模様がうまく表現されています。

特選・滋賀県写真連盟会長賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「夜空の輝き」 武藤 繁一

「夜空の輝き」 武藤 繁一 (長浜市)

選評

地球そのものも夜空の星の一つと感じさせる作品です。単に星だけでなく、もやっとした雲が入っておりその中に森のかげが写り、壮大な雰囲気を醸し出しています。

特選・NHK大津放送局長賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「Jump!」 伊吹 章

「Jump!」 伊吹 章 (彦根市)

選評

近江兄弟社でしょうか。元気な生徒たちが自由に飛び跳ねて波のような構図がおもしろい。黒い制服、ヴォーリスの校舎、生徒たちの笑顔、それぞれがうまくミックスしてひとつの映像となって成功しています。

特選・KBS京都賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「絆」 岸 洋子

「絆」 岸 洋子 (東近江市)

選評

老夫婦と雪の中のにわとり。このにわとりは老夫婦になついているのでしょうか。一瞬のシーンに思われます。おじいさんとおばあさんが手をつないでいるところに、にわとりが足下に近づいてくる。それが絆につながっています。絆、夫婦愛を感じる作品です。

特選・産経新聞社賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「淡雪」 秋田 雅典

「淡雪」 秋田 雅典 (大津市)

選評

特殊な表現方法で雪を表現しています。暗く落ち込んだ白い山が雪以上に訴えています。モノクローム作品に心をひかれました。

特選・朝日新聞社賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「心寄せ合い」 木下 博司

「心寄せ合い」 木下 博司 (大津市)

選評

小さな犬と幼い少女が心を寄せ合っているところが、ほのぼのとした暖かさを感じさせるすばらしい作品です。

特選・時事通信社賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「一服」 原田 直

「一服」 原田 直 (大津市)

選評

ここは琵琶湖でしょうか。美しい三角形の構図に驚かされました。画面の周辺だけに人物が点在しているのが良い。手前の一服する女性が画面全体をひきしめています。

特選・エフエム滋賀賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「悠久の森」 前川 健士

「悠久の森」 前川 健士 (高島市)

カラー組写真

選評

老木の力強さと、シダ類の力強さを感じる作品となっています。縦位置を横3点の組写真にしたことも良かったと思います。

特選・読売新聞社賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「草むらの虫たち」 田中 延子

「草むらの虫たち」 田中 延子 (大津市)

白黒組写真

選評

すごくおしゃれな写真だと思います。3点を横位置にした組写真。じっくりと見ていると、心に何かが伝わってくる飽きない写真です。背景のボケ味も良く、モノクロームの表現も成功しています。

特選・毎日新聞社賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「ダム湖の夜明」速水 健司

「ダム湖の夜明」 速水 健司 (彦根市)

選評

連なる遠山、画面中央には萌えるような緑、鏡のような水面には木々が黒く映り込んでいます。日本独特の湿度を感じる良い写真です。日本画を思わせる掛け軸のような作品になりました。

特選・中日新聞社賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「雀の学校」廣部 貞夫

「雀の学校」 廣部 貞夫 (長浜市)

選評

一番印象に残った写真でした。蓮の実に雀が群がってえさをついばんでいます。リズミカルで音符を並べたようです。カメラマンにとってこういうシーンに出会うと心がワクワクとしてきますね。作者はおちついてしっかりとシャッターを押したのでしょう。シャープですばらしい上がりです。

特選・京都新聞賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「西の湖の冬」小川 正一

「西の湖の冬」 小川 正一 (近江八幡市)

選評

古い船が沈んで、前の部分だけ水面に出ています。背景の白い雪をいただいた山の取り扱いも、しっかりと表現されています。モノクロームの良さがよく出た作品です。

特選・共同通信社賞

第53滋賀県写真展覧会特選「暮らし」東 秀志

「暮らし」 東 秀志 (大津市)

選評

山裾の里山の雰囲気が、野焼きでよく表されています。この周りにはどんな人が暮らしているのか想像させてくれる豊かな作品です。

特選・BBCびわ湖放送賞

第53回滋賀県写真展覧会特選「厳冬の朝」八田 一徳

「厳冬の朝」 八田 一徳 (大津市)

選評

映像としての力強さを念頭に置いて選定しました。寒々とした北国の朝の雰囲気が感じられます。タイトルの付け方に一工夫あるともっと効果が出たでしょう。